帯の歴史~今の帯の形になるまで~【いまさら聞けない着物豆知識】

~昔と今では帯はどうちがうのか?着物豆知識のご紹介です!~

こんにちは!こだわりきもの専門店キステです。 前回、帯の格について簡単に説明をしました! そして今回は予告通り、丸帯について語る予定だったのですがそれを語る前にまず帯ってどんな歴史があって今の形になったのか、「帯の歴史」について一つずつ語っていきます。

帯の歴史~昔は紐でした

今こそ華やかなものから個性的なものがある帯ですが、昔は細~いもので、ただ結ぶだけでした。 室町時代に入り、それまで「袴姿」だった日本のスタイルが「小袖と帯」のスタイルに。 ここで初めて、帯が姿を表に現します。後、足利義政が将軍の時に、「平ぐけ帯」へとなったという記録があるそうです。 桃山時代から江戸時代にかけては「名護屋帯」と呼ばれる組紐帯も用いられました。

平ぐけ帯とは?

巾2寸~2寸5分程度、長さ3mほどの帯。今はお祭りの半纏などに締めています。

平ぐけ帯

出典:https://www.youtube.com/watch?v=HAoDSp9XeMU

名護屋帯とは?

肥前名護屋(今の佐賀・)に中国から伝わった長い帯が元で、両端に房をつけ、腰に幾重にも巻きつけ結ぶ組紐状のもの。今の「名古屋帯」とは全く違うものですのでご注意!

名護屋帯

出典:http://www.karatsu-city.jp/photolibrary/

幅広帯の誕生は江戸時代

さて江戸時代。着物の形態が現在にほぼ近くなった寛文前頃(~1661)までは、一般的に締められていた帯の巾は2寸~2寸5分で、結び方も突込帯(つっこみおび)くらいでした。 しかし寛永頃(1624~1643)、遊女たちはすでに巾の広い帯を締めていて、この頃すでに5寸ほどの巾の帯を用いていました。

突込帯とは?

帯の端を巻きつけて帯の間に挟み込む結び方。挟み結びの方がメジャーな気がします。 男性の角帯で結んでいる方、結構いるかと多いと思います。 あれ、かっこいいですよね!

突っ込み帯

出典:http://bunakane.exblog.jp/17539412/

▼せっかくなので、結んでみました▼

挟み結び

女性の場合はこんな感じになります。 結構しっかりと止まるので、着崩れしなさそうです。(下に着ているのはただの洋服です、すみません・・・) 浪人結び【応用編】

浪人結び

手先を長めにとって、上に持ってく結び方。 こちらも上と同様、結構きゅっとしっかり止まります。

今も昔も人気者が流行を呼ぶ

その後、延宝時代(1673~1680)の人気役者上村吉弥(うえむらきちや)が、幅広い帯の両端に鉛を入れ、結び余りがだらりと垂れるようにした吉弥結びで舞台に出演。その結びが大評判となり、幅広長尺帯が用いられるようになったと言われています。

吉弥結びとは?

歌舞伎役者が結んで流行した粋な帯結び。 貝の口ととってもよく似た形です。 ▼せっかくなので、結んでみました!▼

吉弥

こっちが貝の口↓

貝の口

今の帯の原型の誕生

次第に幅広になっていった帯、元禄時代(1688~1703)には九寸近い巾となり、長さも一丈二尺(約3.6m?)と現在の帯と変わりない形態となりました。 享保以後(1716~1735)には、九寸巾と一丈二尺の長さが帯の基準となり、結び方もますます種類も豊富になり、帯が女装美の中心となりました。 現在でもよく結ばれる文庫帯は宝暦・明和時代(1751-1771)の頃に誕生したと伝えられ、また現在もっとも普及している太鼓結びは文化十年(1813)、江戸亀戸天神の太鼓橋が再建落成されたとき、それにちなんで深川の芸者が結んだ帯の形が元と言われています。 また、年齢にかかわらず帯を後ろで結ぶようになったのも、帯締めを使うようになったのもこの頃とされています。 ▼せっかくなので、結んでみました!▼

文庫帯

現在の帯の原型は、江戸時代に完成していたんですね~。 大河ドラマを見ている人はきっと今コレを読んで「あ~~あの頃か~」ってご納得いただけるかも。

まとめ

さてさて!4章にわたって帯の歴史をお伝えしましたがいかがだったでしょうか? 初めは紐で着物をおさえるだけの役割だった帯が、時代を経て、粋な着こなしの一工夫として様々な形が生み出され、楽しまれたのはとても面白いですよね。 この記事を読んで、少しでも帯について親しんでもらえればなと思います。 それでは次回は丸帯についてじっくり解説していきますね! お楽しみに!   キステではたくさんの種類の帯や和装小物を扱っています! >>キステの帯はこちら >>キステのお店はこちら  

帯の歴史~礼装用着物につかう袋帯について~【いまさら聞けない着物豆知識】

2016年2月11日

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